磁気消去とは?情報漏洩を起こさないためのデータ消去法について解説!
パソコンのハーディディスクのデータには、機密情報が含まれていることも珍しくありません。とくに企業のパソコンの内部には、さまざまな顧客情報も含まれています。外部に漏れるようなことになれば、企業としての信頼を失うことにもなるため、情報漏洩は絶対に防がなければなりません。今回は、漏洩を防ぐデータ消去法を解説します。
パソコンやHDDのデータ消去の必要性
パソコンのパーツショップなどで販売されているHDDやSSDの中古品から企業の業務データが漏洩したといった話は数多くあります。官公庁のハードディスクがネットオークションで販売され、さまざまな行政文書が漏洩する事件も発生したほどです。そもそも記憶装置であるハードディスクを備えた機器は数多くあります。パソコンにタブレット、そしてスマートフォンなどなど。それらには他人に知られるとまずい情報も少なくありません。
そこで多くの方が実施するのが、廃棄前のフォーマット化です。つまり記憶媒体を出荷段階に戻すことによって、データを消去するわけです。しかしハードディスクをフォーマット化したとしても、データが完全に消去されるわけではありません。ハードディスクに残っている断片的なデータは特殊なソフトウェアを使用することで読み取ることができ復元も可能です。そして取り出したデータは、悪用される恐れもあります。つまりデータの流出を完全に防ぎたいのであれば、データ自体を確実に消去しなければなりません。
確実にデータを消去する磁気消去とは
ではハーディディスク内部のデータを完全に消去するためにはどうしたらよいのでしょうか。
方法は3つあり、一般的なのがハードディスクを物理的に破壊するといったものです。ハードディスクに穴を開けるなどし、物理的に破壊すれば確実にデータは消去できます。しかしパソコン等を分解しなければハードディスクは取り出せず、破壊する際に怪我をするなどのリスクもあるのでおすすめできません。
2つ目の方法は、専用のソフトウェアを使用する方法です。ハードディスクに対し無意味なさまざまなデータを上書きする方法であり、近年利用者が増えています。オフィスだけでなく家庭でも簡単に使用できますが、データの書き込み回数が制限されているものもあり、パソコン本体が稼働していないと使えないこともあるので注意しましょう。
3つ目の方法が磁気消去です。磁気消去とは、ハードディスクに強力な磁力を当てることで内部を破壊します。磁気消去されたハードディスクは二度と使えないため、より確実なデータ消去をしたい方に向いているでしょう。磁気消去をされたハードディスクは、見た目は無傷です。しかし内部の磁気ディスク部分および電子部品は破壊されているため、データを復元しようとしてもできません。また、パソコン本体やハードディスクが動かないときでも、磁気消去はできるのでどのような状況でも対応できるメリットがあります。
データ消去は業者に頼むのがおすすめ
データ消去は磁気消去がおすすめですが、そこで問題になるのが磁気消去装置です。磁気消去装置は販売されており購入できます。しかし、そのいずれも高額なものばかりです。大企業であれば購入できるかもしれませんが、100万円や200万円するものもあり、安いものでも50万円から60万円程度なので気軽に手を出せるものではありません。もちろん大量のデータ消去が必要であったりデータ消去を頻繁に行ったりする予定であれば、高額でもデータ消去装置を購入するメリットはあるでしょう。しかし、少量のハードディスクのデータ消去や低頻度のデータ消去であれば、業者への依頼がおすすめです。
業者依頼時における磁気消去のコスト
3.5型HDD / 2.5型HDD / 2.5型SSDといったものであれば、1台あたり1,000円から2,000円程度で対応してもらえることがほとんどです。1回の依頼数が多ければ多いほど価格が安くなるところもあるので、100台以上の消去の依頼を考えている人は事前に業者に相談してみるとよいでしょう。また、低価格で対応してくれる業者になると、1台あたり700円から800円といった格安のところもあります。
ただあまりに安いところは信頼性に不安があるため、初回利用時はなるべく立ち会ったり、データ消去の証明書を発行してもらったりしてください。データ消去の証明書は、無料で対応してくれるところと有料で対応してくれるところがあります。出張でデータ消去して貰う場合は、作業料金にプラスして出張料がかかることもあるので、事前にしっかりと見積もりを出してもらいましょう。
まとめ
ハードディスク内のデータを確実に破壊してくれるのが磁気消去です。磁気の力でハードディスクを使い物にならなくするため、情報漏洩のリスクは一切なくなります。磁気消去は専用の装置で行われますが、購入しようとすると数十万円や数百万円は必要です。中小企業では手の出しにくい金額であるため、専門業者の利用を計画しましょう。ハードディスク1台あたり1,000円から2,000円が相場であり、格安業者になると数百円で対応してくれることもあります。ただし、出張料やデータ消去証明書の発行手数料がかかる恐れもあるので、事前に確認してください。