パソコン/サーバー/スマートフォンのデータ消去方法にはどのような種類がある?②
パソコンやサーバーのデータ消去をしたいと思っても、具体的に何をすればいいのかについてはわからないという方も多いのではないでしょうか。今回はそんな方のために、パソコン/サーバー/スマートフォンのデータ消去方法の種類とデータ消去規格の主な種類をご紹介させていただきます。正しく処分をしたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
データ消去方法の種類
パソコン/サーバー/スマートフォンなどを処分するときには、正しくデータ消去を行っておく必要があります。これは、情報流出などのリスクを防ぐためです。
データ消去にはさまざまな方法がありますので、データの機密性や今後の使い方などによって、適切な対応をするようにしましょう。ここではまず、そのデータ消去の方法について、改めて確認しておくことにします。
データ消去の方法として最も一般的なのが、ソフトウェアを利用する方法です。データを消すのではなく、乱数などで上書きすることによって、元のデータに復元できないようにします。
HDDやSSDなどを物理的に壊してしまう、というのも立派なデータ消去方法の1つです。ただし、HDDをこの方法で厳密にデータ消去しようとすると、かなり細かくなるまで粉砕しなければなりません。取り出しを行う手間が必要な点、作業中に破片で怪我をする恐れがある点など、デメリットも多いといえます。
また、磁気を使ってデータの破壊を行う、という方法もあります。物理破壊より危険は少ないですが、専用の装置が必要となりますので気軽に実施することはできないでしょう。因みに、半導体を用いたフラッシュメモリ方式のものにはこの方法を用いることはできません。
データ消去規格の主な種類
データ消去にはさまざまな規格も存在しています。ここでは、その主な種類についてもみていくことにしましょう。まずご紹介するのはグートマン方式です。こちらでは計35回の上書きを行ってデータを消去します。名の知れた方式ではあるものの、近年ではあまり使用されていません。
次にご紹介するのはDoD5220.22-M米国国防総省方式です。こちらに準拠すると、HDDのすべての領域に乱数を書き込み、その乱数に1の補数を書き込こんだ上で別の乱数を書き込み、正しく書き込まれたか検証するという手順を踏むことになります。
最後にご紹介するのは米国家安全保障局(NSA)推奨方式です。こちらに準拠した場合には、HDDのすべての領域に乱数を書き込み、別の乱数を書き込んだ上で、ゼロを書き込む、という手順を踏みます。
この他にも、AR380-19米陸軍方式やSP800-88Rev.1米国国立標準技術研究所(NIST)勧告方式など、規格はたくさんあります。現在では、HDDの書き込み密度が大変高くなっています。そのような高密度HDDの場合、従来のような複数回の書き込みは不要とされており、上書きは1度でよいといわれるようにもなってきています。
正しく行えるか不安な方はデータ消去業者に依頼するのがオススメ
「方法がたくさんあるのはわかったけれど自分がどうしたらいいのかはわからない…」「復元できてしまうのではないか不安に思ったまま処分するのは避けたい!」このような思いを抱いている方におすすめなのは、専門のデータ消去業者に依頼をすることです。
現在では、データの消去を請け負ってくれる業者もさまざまに存在しています。業者にお願いをすれば確実にデータを消去してもらうことができますし、リスクがあるのではないかという不安も抱えずに済むでしょう。安心のデータ消去を叶えるため業者への依頼も検討したい方に向けて、ここでは最後に業者選びをするときのポイントについても解説をしておくことにします。
まずは、どのような方法でデータ消去をしてもらえるのか、しっかりと確認しておくことにしましょう。専用のソフトを利用するにしても、フリーソフトでは不安が残ります。適切な処分をするためにも、柔軟に対応してくれる業者を選んでおくのがおすすめです。
次に、データ消去証明書を発行してもらえるかどうかもみておきます。とくに企業の場合は、証明書を取得しておくことがトラブルの防止にも有効です。
最後に、セキュリティについても確認しておきましょう。対策はそれぞれの業者で異なりますので、信頼できるところを見極めるポイントにもできるはずです。契約前に料金が明確に提示される業者であれば、より安心することもできますね。その上で出張対応などをしてくれるところを選べば、時間や手間などにもよりいい影響を与えられるのではないでしょうか。
パソコン/サーバー/スマートフォンは、きちんとデータ消去を行った上で処分してください。とくに、会社などで使っているものに関しては注意が必要です。「自力で行うのはちょっと心配…」「データ消去に手間をとられるのは嫌だ!」という方は、専門業者への依頼を検討してみるのがいいでしょう。業者は現在さまざまに存在していますから、特徴などをしっかりと把握して比較をし、納得できるところを見つけるようにしてくださいね!