パソコン/サーバー/スマートフォンのデータ消去方法にはどのような種類がある?
パソコンなどを処分する際に欠かせないデータ消去。しかし、自分でやったことがないと、「消去ってどうやるの?」「これで消去できているの?」などと不安になることもあるでしょう。今回はそんな方に向けて、パソコン/サーバー/スマートフォンのデータ消去方法についてから、解説いたします。よくわからない方へのおすすめもご紹介しますよ!
もくじ
データ消去方法の種類
パソコン/サーバー/スマートフォンなどを処分する際には、データ消去を行っておかなければなりません。大切な情報が残ったまま処分してしまうと、情報漏えいなどのリスクにつながってしまうためです。データ消去をする方法は大きく分けて3つ存在しますので、まずはそれぞれについて確認をしておきましょう。
1つ目の方法は、ソフトウェアを利用する、というものです。データ消去の専用ソフトを利用して、データに乱数などを上書きすることで復元不可能にします。無料のソフトなどもありますので、最も手軽な方法であるといえるでしょう。電源が入れられないなどの状態になっていなければ、実施が可能です。
2つ目の方法は、物理的に破壊をする、というものです。HDDやSSDなど、データの記憶媒体を復元できない状態まで破壊したり粉砕したりします。分解して取り出さなければならないため手間がかかること、破壊する際に破片で怪我をするリスクがあることなどがデメリットといえるでしょう。
3つ目の方法は、磁気を利用する、というものです。消磁装置と呼ばれる装置を使って磁気を当て、データを壊します。素人には少々難しい方法ですね。SSDやSDカードなどはフラッシュメモリ方式ですので、この方法は利用できません。
NISTSP800-88Rev.1clearとは?
次に、データ消去の規格についてもみていくことにしましょう。代表的なものの1つに、NISTSP800-88Rev.1clearがあります。NISTSP800-88Rev.1は、米国国立標準技術研究所(NIST)が発表した媒体のデータ抹消処理、廃棄に関するガイドラインです。
機密レベルや媒体を再利用するかどうか、再利用する場合は組織内で使うのか組織外で使うのかなどにより、3段階に分けてデータ消去を行い、最後に検証をするという方式です。その中でもclearは、一般に流通している復元ツールで復元できないようにする、というレベルになっています。
この上には研究所レベルの復元ツールでも復元できないようにするPurgeレベルと、細断や焼却、粉砕などにより物理的に復元できないようにするDestroyレベルがあります。
NISTSP800-88Rev.1clear以外のデータ消去規格の主な種類
データ消去には、NISTSP800-88Rev.1clear以外にもさまざまな規格があります。たとえば、グートマン方式です。これは合計35回の上書きをしてデータを消去するという方式で、大変有名ではあるものの現在ではあまり利用されていません。
DoD5220.22-M米国国防総省方式では、ゼロで上書きを1度行い、2度目は固定値、3度目は乱数を書き込んで最後に検証をします。米国家安全保障局(NSA)推奨方式、というものもあります。こちらではまず乱数で上書きを1回、もう1度乱数で上書きをした上、最後にゼロで上書きをします。
正直よくわからないという方はデータ消去業者に依頼するのがオススメ
ここまでの記事を読み「方法がいろいろあるのはわかったけれど、実際にデータ消去をするときに何をしたらいいのかは判断がつかない!」と感じた方も多いかもしれません。そんな方には、データ消去業者に依頼をするのがおすすめとなります。
現在ではさまざまな業者が確実なデータ消去を行ってくれるというサービスを提供しているため、ぜひ利用を検討してみてください。信頼できる業者を選べば、「これで本当に復元できない状態になっているのかな?」などと不安に思うこともなくなりますし、手間も時間もかかりません。
実際に業者選びをするときには、まず、セキュリティ体制がしっかりしているかどうかを確認しておきましょう。データ消去時の環境など、情報漏えいを防ぐための対策がとられていれば安心です。
次に、どのような方法で消去をしてくれるのかも調べておきます。フリーソフトが使われているようでは問題ですし、柔軟な対応ができることに越したことはありません。
業者の中には作業後にデータ消去証明書などを発行してくれるところもありますので、そのような点に着目すればより安心できる業者を有意義に検討できるでしょう。その上で、データ消去に必要となる料金が明確に提示される業者を選べば、信頼もできるのではないでしょうか。
パソコン/サーバー/スマートフォンのデータ消去方法は1つではありません。自力で実施する場合には、自分やパソコンに合った方法を選ぶようにしましょう。「リスクもありそうだし、自分だけでやるのは不安…」という方は、専門の業者に依頼をするのもおすすめとなります。中には出張対応をしてくれたり、証明書の発行をしてくれたりする業者もありますので、さまざまに比較検討をして信頼できる業者を選ぶようにしてくださいね!