使わなくなったサーバーのデータ消去方法について解説!
サーバーを手放す際、データ処理を行わずに捨てるだけではさまざまなリスクが生じます。最近では、クラウドサービスへの移行などで使わなくなったサーバーがそのまま放置されているというケースも少なくありませんよね。今回はデータ消去をせずに処分するリスクや、データの消去方法、処分方法ごとのメリット・デメリットを詳しく解説します。
データ消去をせずにサーバーを処分するリスク
サーバーを処分する際、もっとも大切なのはサーバー内にあるデータを確実に消去してから処分するということです。仕事で使っていたサーバーであれば会社に関する重要なデータや機密情報、個人で使っていたものであれば個人情報と、重要なデータがたくさん含まれているはずです。
そのサーバーのデータ処理をせずに処分するということは、それらの重要なデータが他者に流用されてしまう可能性があるということです。個人ならともかく、悪徳な業者に拾われて情報を抜き取られ、悪用されては大変なことになるでしょう。実際に、廃棄されたサーバーからデータが奪われ情報漏えい事件に発展している例もあるため、決して他人事ではありません。サーバーを処分する前に確実なデータ消去を行うことでその危険を避けることができます。
使わなくなったサーバーのデータ消去方法
では実際に、使わなくなったサーバーのデータ消去にはどのような方法があるのでしょうか?ここでは代表的な3つの方法を紹介します。
■物理的に破壊する
物理的にHDDを破壊してデータの読み取りができない状態にします。ハンマーで叩く、穴を開ける、水没させるなど方法はさまざまですが、もっとも単純なデータ消去方法です。しかし、手間がかかりますし面倒な作業となるため、1台だけの処理ならともかく何台も処理しなければならない場合にはあまりおすすめできない方法です。
■磁気を利用して破壊する
HDDのディスク部分に強力な磁気を当て、磁気面を破壊する方法です。物理的に破壊する方法に比べ、見た目はそのままなので、専用の機器が用意できる場合は安全で確実な方法といえるでしょう。ただし、個人で磁気破壊の専用装置を持っている人は少ないため、用意するとなるとその分コストがかかります。
また、物理的に破壊する場合と同じで本体からHDDを取り出す作業は必要となるため、それなりに手間はかかるようです。
■データ消去ソフトを使用する
データ消去専用のソフトを用いてサーバー内のデータを消去する方法です。この方法の最大の利点は、HDDの再利用ができるという点。前述した物理的に破壊する方法と磁気を利用して破壊する方法だと、HDDを破壊して使用不能にしてしまうので、再利用できません。
HDDを破壊されたサーバーはそのまま廃棄物として処理するしかないので、データ消去面では安全でも環境にはあまり優しくない方法といえます。その点、データ消去ソフトを使用すれば廃棄物にせずに済むので、環境に負担を与えずエコな方法であるといえます。
サーバーの処分方法ごとのメリット・デメリット
次に、サーバーの処分方法ごとにどのようなメリットやデメリットがあるのか解説しましょう。
■廃棄業者に依頼する場合
・メリット
廃棄費用がかからず無料で引き取ってくれることもあるという点です。サーバーは分解して部品を再利用できるため、廃棄業者によっては壊れていても、有名なメーカーのものでなくとも引き取ってくれることが多く、確実に手放したいときにはおすすめです。
・デメリット
データの消去は自分で行わなければならないことと、廃棄業者まで自分で運ばなければならないこと。廃棄業者によってはデータ消去や引き取りも行ってくれることもありますが、有料となる場合が多く、また確実にデータ消去をしてくれるのかどうか慎重に見極める必要があります。
■専門の買取業者に依頼する場合
コンピュータ関連機器専門の買取業者というものがあり、サーバーを処理したい場合はこういった業者を利用するのも手です。
・メリット
サーバーを売却できる可能性があるという点です。また、多くの買取業者でデータ消去も請け負っているため、信用できる業者を見つけることができればデータ消去に関する心配がなくなります。
・デメリット
使用年数やメーカーやサーバー自体の状態に応じて買い取り金額がつかない場合もあるということと、運搬してもらったときは別途費用がかかる場合が多いということです。
家庭やオフィスで不要になったサーバーの処理は、慎重に行う必要があるでしょう。サーバー処理にはさまざまな方法があり、それぞれにメリットやデメリットがあるため、よく調べたうえで自分にもっとも適している処理方法を選択することが大切です。中でもデータ消去に関しては、会社の機密や個人情報を守るためにもとくに注意する必要があります。