不要になったパソコンやスマホなどの電子機器を処分する際の注意点とは?
パソコンやスマホが不要になったからといって不用意に捨てることは非常に危険です。パソコンやスマホには情報がたくさん入っており、十分な対策をしていないと処分した機器から悪意ある第三者に個人情報などが抜き取られる危険があるからです。ここではパソコンやスマホを処分する際に押さえておくべきポイントについてご説明します。
不要になったパソコンやスマホなどの電子機器を処分する際はデータ消去を忘れずに
パソコンやスマホにはアカウント情報やクレジットカード情報などの個人情報を含むあらゆるデータが入っているので、処分する際には必ずデータを消去する必要があります。消去が面倒でそのまま捨ててしまったために、見ず知らずの誰かにデータを抜き取られて悪用されるなんて本当に怖いですよね。
金銭的な被害やプライバシーの漏洩といった個人的な被害だけではなく、場合によっては仕事上の情報の漏洩のように広範囲に損害を与えるリスクも含んでいます。具体的には身に覚えのないネットショッピングの請求が届く、出会い系サイトに自分の写真が使用されているといったようなことが起こる可能性があり、実害を被るだけではなくとても気味が悪いですよね。
また、中古パソコンを購入し市販のソフトでハードディスクのデータを復元したところ、とある医療機関が作成した診療報酬明細書が復元されたという多数の個人情報が漏洩する事例も実際に起こっています。このような被害を起こさないために、パソコンやスマホが不要になった際には、たとえ起動できない壊れた状態であってもデータを確実に消去できる方法を十分に理解した上で処分することが重要です。
不要になったパソコンやスマホなどの電子機器の処分方法
ここではパソコンやスマホを実際に処分する際の方法についてご説明します。
■パソコン買取り業者への売却
不要なパソコンを現金化したり無料で回収してもらえるため、時間的に余裕がある場合は検討しましょう。出張や宅配での買取りのサービスを利用すればパソコンを持ち込む必要がなく便利です。データ消去に関しては削除方法を明記しているかどうかがポイントです。
■フリマアプリなどでの直接販売
まだ使える状態であれば必要とする人に直接販売できるため、他の処分方法より高額の利益を得ることができます。個人間での取引のため事前のデータ消去については自己責任でより慎重におこなう必要があります。
■パソコン販売店による下取り
新しいパソコンに買い替える際に店舗での下取りが可能であれば、その分を値引きに回せます。データ消去に関しては店舗によってサービス内容が異なりますので、事前に確認が必要です。
■パソコンメーカーによる回収
PCリサイクルマークが添付されているパソコンは製造メーカーが回収する義務を負います。PCリサイクルマークが添付されていない場合も有償にはなりますが回収が可能です。データ消去にも対応していますが事前に消去しておくとより安心でしょう。
■無料回収サービスの利用
故障したパソコンや古いパソコンは無料回収サービスの利用がおすすめです。メーカー品だけではなく自作パソコンも処分可能ですが、販売して現金化できる価値のものであれば売却したほうがお得です。データ消去に関しても厳しいガイドラインが設けられています。
■自治体の回収ボックスへ投函
各自治体に設置の回収ボックスも原則無料で回収可能です。各都道府県の回収ボックスの設置場所や対象品目はホームページからも確認できます。投函するだけなので簡単で利便性が高いですが、データについては自己責任で事前に消去する必要があります。
■キャリアによる無料回収
スマホについては大手キャリアのショップで本体や充電器などの付属品も含め無償で回収してくれます。キャリアでも確認してくれますが、事前にデータの消去やSIMカード、SDカードなどの抜き忘れのないようご注意ください。
不要になったパソコンやスマホなどの電子機器を処分する際の注意点
ここでは処分する際の注意点として、処分前に行うべきデータのバックアップ方法やデータの消去方法についてご説明します。データをごみ箱に捨てたり、工場出荷状態に戻したりしても完全には消去できてないことをご存知でしょうか。
専用の復元ソフトを使用すれば消去したと思っていたデータの復元ができてしまうため別の対策が必要となります。それではケース別に順番にみていきましょう。
■まだ起動するパソコンを処分する場合
専用ソフトを使用してハードディスクに書き込まれた情報に上書きをして消去する方法が最も簡単です。最近では最初からデータ消去ソフトがインストールされているパソコンもあります。
■まだ起動するスマホを処分する場合
iPhoneの場合はiCloudに、Androidの場合はGoogleドライブにデータのバックアップをおこなってから端末上のデータをリセットします。ただしデータが復元できてしまうケースもあるので、詳しくはサポートに確認しながら万全に対策しましょう。
■起動しないパソコンを処分する場合
分解してハードディスクを取り出し別のパソコンを使用して専用のソフトウェアで消去するか、物理的にハードディスクを破壊します。自分でおこなうのが難しい場合は家電量販店や専門業者が提供するサービスを利用しましょう。
■起動しないスマホを処分する場合
自分でおこなう場合は物理的に破壊することしかできませんが、完全に破壊しないとデータが残る可能性が有りけがなどの危険も伴うので、キャリアや専門業者に依頼して確実に破壊してもらいましょう。持ち主の目の前で破壊してくれるサービスならより安心です。
処分したパソコンやスマホから保存データが抜き取られて漏洩してしまうと、個人情報の悪用や内容によっては損害賠償などの取り返しのつかない事態になりかねません。安易に廃棄することは保存データの漏洩につながるため、データ消去に関しては処分方法に応じて万全の対策をおこないましょう。