法人企業はデータ消去後はPC買取に出すのもおすすめ
法人用PCのデータ消去の課題とは、企業情報の漏洩リスクです。とくに法人用となると企業責任は重大で、消去を誤れば補償問題や信用喪失など、多大な被害を受ける恐れがあります。そこでおすすめなのが、PCデータ消去の専門業者への依頼です。今回は、データ消去を社内で行うリスクや、専門業者に依頼するべき理由について解説いたします。
PCのデータ消去を社内で行うデメリット
PCのデータ消去を社内で行うデメリットは、「データを復元される恐れがある」、「膨大な労力と時間がかかる」の2点が挙げられます。ここではそれぞれのデメリットについて解説していきます。
■データを復元される恐れがある
PCのデータ消去の方法は、「データをゴミ箱に入れる」、「PCを初期化する」などの方法が一般的ですが、実際にはこのような操作を行っても、データは完全に消去されるわけではありません。見えなくなっただけで、ストレージ内には残っているからです。そのため、データ復旧ツールを使われると簡単に復元されてしまいます。
また、データ消去専用のソフトウェアを使用する方法もありますが、この方法も「操作手順が素人には分かりづらい」、「適切なソフトを使用しなければ、データを完全には消去されない」といったリスクを抱えています。
何よりPCのデータを完全に消去するには、ある程度PCの専門知識を持つ人でなければ消去できません。社内にそのような人がいればまだ対処のしようがありますが、PC操作に不慣れな企業も少なくはありません。だからこそ自社内でデータ消去することは、危険をともなう行ためなのです。
■膨大な労力と時間がかかる
データを消去する最も確実な方法とは、物理的に破壊することです。しかしハンマーやドリルでPCを1台1台壊すのはかなりの時間と労力がかかる上、ガラスや金属が飛び散って怪我をする恐れもあります。
一方ソフトウェアによる消去も、近年のPCの容量はかなり増えていることから、1台あたりの消去時間が10時間以上かかることもあります。もしくはデータ消去しようにも「PCの電源が付かない」というトラブルも起こるかもしれません。その場合は「磁気消去」という方法があるのですが、専用の機材が必要になります。
このような理由から、自社内でのデータ消去はセキュリティ上のリスクが高く、業務負担も甚大なので、おすすめの方法とはいえないのです。
PCのデータ消去を専門業者に依頼するべき理由
PCのデータ消去は自社内ではなく、専門業者に依頼した方が安全かつ確実に消去できるのでおすすめです。専門業者はソフトウェアによる消去の他、物理破壊・磁気破壊など用途に応じて消去方法が選べる上、データ消去にともなう膨大な作業時間もすべて業者が請け負ってくれるため、負担が大きく軽減できます。
そして何より大きなメリットなのが、「データ消去作業証明書」を発行してくれる点です。データ消去作業証明書とは「データを完全に消去した」という保証書のようなもので、この書類があれば「データが確実に消去された」という証拠になる上、万が一外部に情報に漏れても原因特定しやすくなり、社会的信用も担保できるようになります。まとめると専門業者をおすすめする理由は、より「速く・確実に・安全に」消去してくれるからです。
PCのデータ消去を依頼する業者選びのポイント
PCのデータ消去は専門業者に依頼するのがおすすめですが、「業者に任せておけば安心」というわけではありません。中にはデータを消去せず、転売する悪徳業者も存在していることから「信頼できる業者であるか」を見分ける必要があります。そこでこの項目では、業者選びのポイントについて解説していきます。
■データ消去作業証明書は発行してくれるか
データ消去を業者に依頼する最も大きな理由は、確実にデータ消去してもらうためです。もしも証明書を発行してくれない業者に依頼すると、「データ消去された」という証明ができなくなってしまうため、企業の信頼を落としかねません。だからこそ依頼の際には、必ず証明書、もしくは作業報告書を発行してくれる業者を選ぶようにしましょう。
■データ消去の方法を事前に確認する
2つ目のポイントは、「データ消去の方法を事前に確認すること」です。信頼できる業者はデータ消去の方法を具体的に説明していて、たとえばソフトウェアによる破壊なら「~社製のデータ消去ソフトを使用いたします」といった説明や、「NSA(米国国家安全保障局)準拠方式で消去いたします」などの説明がされています。
一方信頼できない業者は、何のソフトを使用しているかの説明がなく、消去方法も不明瞭な特徴があります。このような業者はフリーソフトを使用していることが想定されますので、避けた方が賢明です。つまり業者選びは「データ消去の流れを具体的に提示しているか」を見ることが重要になります。
■セキュリティ対策はどうか
3つ目のポイントが、セキュリティ対策についてです。たとえばデータ消去の立会いが可能であったり、作業場に監視カメラをあったりすれば、それだけセキュリティ対策されているといえるので、情報漏洩のリスクを削減できます。
他にも、世界基準のセキュリティ規格である「ISO27001」や「Pパーク」の取得や、大手企業や官公庁の実績があれば、セキュリティ対策も徹底されているため信頼性も上がります。このようなポイントを抑えることが情報漏洩のトラブル回避につながりますので、ぜひとも抑えておきましょう。
データ消去後はPC買取に出すのもおすすめ
データ消去の専門業者の中には、消去後のPCの買取に対応している業者もいます。不要PCの処分は自治体やメーカー、家電量販店でも対応していますが、回収を行っている自治体の数はそもそも少なく、メーカーや家電量販店の場合は持ち込む手間がかかります。
このような労力を考えると、データ消去から買取までをワンストップで行ってくれる事業者は手間や時間を大きく減らせるのでお得です。とはいえすべての業者がPC買取に対応しているわけではないので、依頼の際にはPC買取にも対応しているか、サービス内容をよく確認した上で依頼するようにしましょう。
法人PCのデータ消去を自社内で行うことは情報漏洩のリスクが高い上、膨大な時間と手間もかかります。データ消去専門の事業者に依頼すればデータ消去の確実性も担保できますし、時間や労力の大幅な削減につながるのでおすすめです。とはいえ「業者だから任せて安心」と慢心せず、事前にサービス内容セキュリティ体制などをチェックして信頼できる業者なのかを見極めることが大切です。